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楽天モバイルのキャリアはどこ? 提供エリアと対応端末の違い
格安スマートフォンの一つに楽天モバイルがあります。楽天モバイルは無制限のかけ放題を提供している数少ない会社です。ただ、楽天モバイルに乗り換えたいとき、今持っているスマホでちゃんと電波が掴めるのか気になりますよね。
ここでは、楽天モバイルが提供している回線のキャリア、複数の電波を束ねて高速化するキャリアアグリゲーションの対応状況、端末を選ぶときの注意点を解説します。
楽天モバイル自社回線について
楽天モバイルは、2019年10月から自社回線へのネットワーク移行についての案内を発表しました。これについては、楽天モバイル自社回線の対応バンドとエリアは? 対応端末やサービスの今後について予測!にまとめましたので、参考にしてみて下さい。
楽天モバイルのキャリアはドコモとau
2018年10月から、楽天モバイルはドコモの回線に加え、au回線の提供が始まりました。これによってドコモ回線もしくはau回線のどちらも選べるダブルキャリアに対応したことになります。
今回の記事では主にドコモ回線について解説していきますが、au回線の詳細をご覧になりたい方は楽天モバイルのau回線は契約しても大丈夫? メリット・デメリットを徹底解説!を参考にして下さい。
そもそも携帯キャリアって何?
スマートフォン本体を選ぶときや、格安SIMのサービスを比較するときに「携帯キャリア」という言葉がよく使われます。「携帯キャリア」には、どんな意味があるかご存知ですか?
携帯キャリアとは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」などの通信会社のことです。これらの携帯キャリアは、携帯電話を売ることだけが仕事ではありません。携帯基地局などの設備を整備し、携帯電話の通信サービスの提供も行っているのです。なお、「携帯キャリア」のことは別名で「移動体通信事業者」または「MNO」(エムエヌオー)ともいいます。
これに対し、楽天モバイルやイオンモバイルように「ドコモやauなどの携帯キャリアから回線を借り受けて通信サービスを提供している会社」があります。
このような会社のことを、「仮想移動体通信事業者」またはMVNO( エムブイエヌオー)とよびます。なお、あなたが格安スマートフォンを使うためには、MVNOと契約する必要があります。
楽天モバイルの電波エリアはドコモと同じ
上述の通り、楽天モバイルはMVNOです。そのため、携帯キャリアの回線を利用することで通信サービスが成り立っています。そして、楽天モバイルが主に提携している携帯キャリアがドコモなのです。
ドコモの電波エリアはドコモ公式ウェブサイトから確認することができます。2017年9月現在、通信速度も含めた実際のデータは以下のようになっています。
楽天モバイルでは、ドコモから借り受けた回線を右から左へ提供しているだけなので、最大通信速度も通話のサービスエリアもドコモのデータと同じになります。
例えば、地図緑色のpremium4G(788Mbps〜738Mbpsの速度のこと)に対応したエリアと端末で楽天モバイルを使えば、premium4Gの通信速度で利用できることになります。
ただ、通信速度に関しては注意点があります。ドコモで契約した回線であれば、都市部のエリアで最低50Mbpsから80Mbps(実測値)の速度が出ます。それに対し、楽天モバイルで契約した回線の場合は最高でも5Mbps程度(実測値)しか出ないのです。
楽天モバイルはドコモの通信を利用しているのに、なぜこのような通信速度の差が生じるのでしょうか?
この原因は、楽天モバイルが借りた回線に大勢のお客さんを詰め込んで通信させているからです。
(この例ではわかりやすくするために設備や仕組みを大幅に簡略化しています。また、MVNOをポケットWi-Fiに見立てています)
キャリアで契約した回線ではそれぞれの端末に通信帯域を提供しているのに対し、MVNOで契約した回線では一つの通信帯域をみんなで共有しています。
例えば、あなたが契約したポケットWi-Fiの通信をみんなに分けてあげたら通信速度が遅くなってしまいます。これと同じように、MVNOでは利用者が多くなればなるほど一つの回線を人数で割ってしまいます。そのため、キャリアと契約した回線に比べて一人一人に割り当てられる通信速度が低下してしまうのです。
以上の理由から、楽天モバイルで使う端末が緑色のpremium4Gエリアに対応していたとしても、飛び抜けて通信速度が速くなるわけではありません。
上のエリアでいうと、イエローとオレンジよりも速い通信速度に対応していても高速通信は期待できないことを覚えておきましょう。
楽天モバイルでもキャリアアグリゲーションに対応
スマートフォンの高速通信は二つ以上の電波を束ねることによって実現しています。例えば、あなたも「建物の中は通信速度が遅い」と感じることがあると思います。この原因は、束ねていた電波の一部が建物の中まで届かず、残りの電波だけで通信を行っているからです。
このように、複数の電波を束ねて高速通信を行うことを「キャリアアグリゲー ション」といいます。MVNOや携帯キャリアが「キャリアアグリゲーション」に対応していると、自動で電波を束ねて高速通信を行ってくれるのです。一部の電波が受信しにくくなっても残りの電波で通信できれば、圏外になることはありません。
電波には場所によって届きやすい電波や、届きにくいけど通信速度が速い電波などさまざまな種類があるのです。キャリアアグリゲーションでは、場所と電波の種類に応じて自動的に最適なパターンで電波を束ねてくれます。(データは2015年12月のもの)
例えば、キャリアアグリゲーションのパターンには以下のようなものがあります。
全国的に基地局が整備されている2.0GHzのBand1とのパターン例
・東名阪に行ったとき:1.7GHzのBand3とBand1が自動的に束ねられて262.5Mbps
・地方都市に行ったとき:1.5GHzのBand21とBand1が自動的に束ねられて225Mbps
・山岳地方に行ったとき:800MHzのBand19とBand1が自動的に束ねられて187.5Mbps
このように、使う場所に適した種類の電波を自動的に束ねて高速通信ができるようになっています。
この複数パターンがあるおかげで、どこにいてもキャリアアグリゲーションを利用した高速通信ができるようになっているのです。
楽天モバイルも、もちろんキャリアアグリゲーションに対応しています。特別な設定は必要ありませんが、対応した端末が必要になります。
具体的には、現在楽天モバイルの回線とセットで販売されている端末、2015年以降に発売されたSIMフリースマホ、現在ドコモで販売されている端末になります。
auとソフトバンクの端末は注意!
au、ソフトバンク、ドコモの3社は、LTE(次世代高速携帯通信規格、4Gと同じ)として使用している2GHz帯の電波は共通で使用しています。しかし、それ以外の電波に関しては、電波干渉を防ぐために全く違う電波帯域(対応バンド)を使用しています。
例えば、auで発売されている端末はauの電波が最適に掴める設計になっているのです。ソフトバンクやドコモに関しても同じです。
(2017年9月現在)
以上のことを踏まえて、auとソフトバンクの端末で楽天モバイルを利用できるか考えてみましょう。
上述の通り、楽天モバイルで提供している回線はドコモの回線です。au やソフ トバンクの端末で楽天モバイルを利用するためには、これらの端末でドコモの電波を掴む必要があります。
ただ、au やソフトバンクの端末では自社の電波はつかめますがドコモの電波はつかめません。唯一つかめる電波が、3 社共通で使用している2GHz 帯だけです。
したがって、au やソフトバンクの端末を使用する場合は、2GHz 帯のエリアでのみ楽天モバイルを利用できるのです。
2GHz帯エリアは全国的に整備されていますが、主に使用できるのがオレンジとイエローのエリアです。オレンジとイエローのエリア内であっても、ビル密集地、建物の中、地下鉄、高速道路のトンネル内は2GHzの電波が届きにくいため圏外になってしまいます。
以上の理由から、auとソフトバンクの端末は掴める電波のエリアが狭く通信速度も遅いので使い物になりません。乗り換える際は楽天モバイルで販売されている端末への買い替えを検討しましょう。
まとめ
楽天モバイルでは現在ドコモの回線のみを提供しています。auとソフトバンクから乗り換える場合はドコモの電波に対応している端末へ買い替えましょう。
今後、格安SIMの競争が激化すると、楽天モバイルはドコモ回線以外にau回線やソフトバンク回線との取引を始めるかもしれません。そうなると、auやソフトバンクの端末でも使用できるようになります。
ただ、その場合も「提供エリアはキャリアと同じ」であることと「端末の対応バンドの違い」によって通信エリアが狭くなってしまったり、速度が遅くなったりしてしまうことに注意しましょう。
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