楽天モバイルのおうち専用プラン『Rakuten Turbo5G』とは？ 通常プランとの違いと、契約するメリット、デメリットについて解説！

楽天モバイルから、ホームルータータイプのRakuten Turbo5Gプランが新たに提供されました。

しかし、蓋を開けてみると料金がスマートフォン向けプランよりも高かったり、端末代が高かったりと、あまりよくない印象を受けている方が多いようです。

では、Rakuten Turbo5Gプランは、既存のスマートフォン向けプランと比べてどのような違いがあるのでしょうか？　契約するメリットやデメリット、オススメできる人はどのような人でしょうか？

今回は、Rakuten Turbo5Gプランとスマートフォン向けプランとの違いと、メリットデメリット、WIMAX＋5Gと比べてどうなのかを詳しく解説します。

Rakuten Turbo5Gとは？

楽天モバイルでは現在、スマートフォン向けの音声付きプランと、タブレット用のデータ専用プラン、そしてホームルーター専用のRakuten Turbo5Gプランを提供しています。

基本的にどのプランも定額でデータが使い放題になるのは共通していて、楽天モバイルの自社回線エリア内であれば無制限で高速通信が可能です。

では、具体的にRakuten Turboは他のプランと比べて何が違うのでしょうか？
主に異なる点としては、使用する通信端末の違いと、通信料金、通信エリアの違いです。

Rakuten Turboは、他のプランと比べて通信料金や通信エリア、使用する通信端末が違う！

Rakuten Turboでは、ホームルーターと呼ばれる専用の端末を家に設置して通信を行います。この端末は家に設置して固定回線のように使うことを前提としているため、モバイルルーターのように外に持ち運んで使用する事は出来ません。

ちょうど、WIMAXやドコモのHome 5Gのように、光回線などの代わりとして、家のインターネット回線をこれ一台で利用していく感じですね。

光回線を引きたいけどエリア外で光回線がひけない方や、光回線の月額料が割高だと感じている方、WIMAX＋5GやドコモのHome 5Gのように、無制限で使えるインターネット回線をなるべく安く使いたい方向けのプランとなっています。

ただ、Rakuten Turbo5Gプランは、既存のスマートフォン向けプランと比較して通信品質に大差は無く、その割に専用端末の購入が必須の上にプラン料金設定が割高です。

正直言ってRakuten Turbo5Gのプランは立ち位置が微妙で、契約するメリットもそんなに多くありません。例えば、Rakuten Turbo5Gの料金プランと既存のスマートフォン向けプランを比較すると、次のような違いがあります。

Rakuten Turbo5Gの料金

Rakuten Turbo5Gプランの基本料金は月額4,840円となっており、最初の1ヶ月目から12ヶ月目まではプラン料金の割引がされて月額1,980円、その後は割引が無くなって月額4,840円です。

ここに、契約事務手数料の3,300円が契約初月にかかり、併せてRakuten Turbo5G専用のホームルーターも同時に購入する必要があります。

ホームルーター代は一括払いか分割払いにするが選べますが、ほぼ分割払いになると思いますので、ホームルーターの分割代金として866円が48ヶ月間（1ヶ月目のみ878円）が併せてかかります。

これらをあわせて計算すると、上記の表のように１ヶ月目は6,158円、２ヶ月目〜１２ヶ月目までは2,846円/月、13ヶ月目から48ヶ月目までは5,706円/月、49ヶ月目以降では4,840円/月がかかる計算です。

公式サイトではこの2ヶ月目から12ヶ月目までの一番安い料金が強調されているので安く感じるかも知れませんが、ハッキリ言って全然安くありません。

では、既存のスマートフォン向けプランはどうかというと、月間の通信量が20GBを超えた場合の料金はその後どんなに通信を行っても月額2,980円です。

既存のスマートフォン向けプランでも通信品質はRakuten Turbo5Gプランと変わりなく、Rakuten Turbo5Gプランだから通信速度が特別に高速になるなんて事もありません。

加えて、既存のスマートフォン向けプランのSIMカードでも、モバイルルーターやWIMAXの一部ホームルーターに挿して使うことも出来ます。スマートフォン向けプランの場合はSIMのみの契約が出来ますので、やり方によっては既存のスマートフォン向けプランの契約でRakuten Turbo5Gのように運用することも可能です。

このように比較してみると、Rakuten Turbo5Gプランは既存のスマートフォン向けプランと比べてかなり割高であることが分かりますね。

この他にも、Rakuten Turbo5Gプランはスマートフォン向けプランと比較して利用出来るエリアも異なります。Rakuten Turbo5Gでは、楽天モバイルの自社回線エリアのみ利用可能、スマートフォン向けプランでは、auのローミングエリアも利用することが出来ます。

Rakuten Turbo5Gのエリア

例えば、Rakuten Turbo5Gでは楽天自社回線が整備されている都市部や地方都市では使うことが出来ますが、都市部から離れたエリアや山間部では楽天自社回線のエリアが整備されていないので殆ど利用することが出来ません。

対してスマートフォン向けプランでは、auから借りているプラチナバンドも利用出来るので、都市部から離れた場所や一部の山間部でも利用可能です。

この違いがよく分かるのが、上の二枚の画像です。左側がスマートフォン向けプランのエリア、右側がRakuten Turbo5Gのエリアマップです。比べてみると、違いは一目瞭然ですね。

オマケに、楽天モバイルの5G回線が使える緑色のエリアは、都市部など一部地域のかなり限られた場所にしか整備されていません。Rakuten Turbo5Gの恩恵を最大限に受けられるエリアは、ごくごく僅かです。

このように見ていくと、現状Rakuten Turbo5Gをオススメできるのは、ご自宅が楽天モバイルの5Gエリア内にあって、光回線を引くよりもRakuten Turbo5Gを契約する方がメリットを感じるという場合くらいでしょうか。

4Gエリアでのみ利用するだけなら、既存のスマートフォン向けプランにモバイルルーターの組み合わせで十分ですし、現状5Gエリアが整備されているエリアでは集合住宅などが多い事から、楽天ひかりなど光回線のマンションプランの方が通信が安定していてお得です。

このことから、5Gエリア外の方では、Rakuten Turbo5Gを契約するメリットは殆どありません。ただし、楽天モバイルも急ピッチで自社回線エリアや5Gエリアの整備を進めています。いつのまにかご自宅周辺に5Gエリアが整備されていることも考えられますので、実際に使えるかどうかはRakuten Turbo5Gの提供エリアを必ず確認するようにして下さい。

Rakuten Turbo5Gを契約すると、楽天市場のお買い物でポイント＋1倍

ただし、Rakuten Turbo5Gも単に高いだけではありません。契約することによるメリットもあります。

それが、Rakuten Turbo5Gの契約期間中は、楽天市場のお買い物で楽天ポイントが＋1倍、スマートフォン向けプランと併せて契約すると＋4倍になる事です。

スマートフォン向けプランでは、楽天市場のお買い物で楽天ポイントが＋3倍貰えるようになりますが、これに楽天ひかりやRakuten Turbo5Gを組み合わせると、＋1倍の合計で4倍になる形ですね。

これは、楽天市場や楽天カード、楽天ペイなど楽天経済圏をメインに利用している方にとっては、非常に大きなポイントアップです。

同じようなサービスであるWiMAXやドコモのHome5Gでは、このようなポイント付与による実質的な割引施策はされていません。

楽天市場の利用状況によっては、年間数千から万単位でポイントを獲得できる場合もあります。このような楽天市場で獲得したポイントは、Rakuten Turbo5Gの利用料金の支払いに充てることも可能です。

この事からも、楽天市場の利用状況によっては、他の通信サービスと比べてもかなり割安に利用出来る場合があります。Rakuten Turbo5Gは、楽天のサービスをメインに利用する方向けのプランと言えそうですね。

Rakuten Turbo5Gのメリット、デメリット

それでは、このあたりでRakuten Turbo5Gのメリットとデメリットをまとめてみましょう。個人的な主観も入っていますが、Rakuten Turbo5Gのメリット、デメリットは次の通りです。

現状では、5Gエリアが狭いことから相対的に基本料金やホームルーター代が割高となっており、正直言って万人にオススメできるとは言えません。

ただし、楽天市場でのお買い物で＋1倍、スマートフォン向けプランと組み合わせて最大＋4倍になるのは大きなメリットです。

今までは、最大の＋4倍にするためには楽天ひかりを契約するしか選択肢がありませんでした。これだと、楽天ひかりが契約できないマンションやエリアの方は、そもそも諦めるしかありません。

しかし、Rakuten Turbo5Gが登場したことによって、対応エリア内であれば楽天ひかりを契約した時と同じように楽天市場でのお買い物で楽天ポイントが＋1倍になります。楽天のヘビーユーザーの方なら、インターネット回線をRakuten Turbo5Gにするのもアリだと思いますよ。

また、通信品質に関しても、楽天モバイルのサービス開始当時に比べたらかなり健闘しています。例えば、同じくらいの料金で利用出来る通信サービスとしてWIMAX＋5Gがありますが、こちらと比較しても場所や利用時間帯によっては、WIMAX+5Gを上回る通信速度で利用出来る場合があります。

WIMAX＋5Gを契約して通信速度が遅かった方は、Rakuten Turbo5Gを試してみるのもオススメです。

楽天モバイルの通信品質はWIMAXと比べてどう？通信制限はかかる？

皆さんがRakuten Turbo5Gを検討する上で、やはり最も気になるのがWIMAX＋5Gと比べてどうなのか？って所ですよね。

WIMAX＋5Gも、同じような価格で高速通信が出来るサービスを提供していますが、実際に使ってみたユーザーの口コミでは、「通信速度が遅い」とか「使い物にならない」などの書き込みを見る事があります。

では、実際に楽天モバイルの通信とWIMAX＋5Gの通信を比べてみてどうなのでしょうか？　管理人の場合（岐阜県）ですが、両方のサービスを比べてみた結果、次のような結果になりました。

まず、楽天モバイルでは通信を無制限に使える事をアピールしています。これを確かめるためにも、楽天モバイルとWIMAX+5Gの双方の回線で、できる限り多くの通信を行ってみました。

プラン	使用端末	エリア
楽天モバイル（スマートフォン向けプラン）	Galaxy 5G Mobile Wi-Fi	4G（岐阜県）
WIMAX＋5G	Speed Wi-Fi HOME 5G L12	4G (岐阜県）

こちらが、一ヶ月の間、楽天モバイルでなるべく多くの通信を行ってみた結果です。一ヶ月の通信量は1660GBとかなりの通信を行っています。

そして次の画像が、WIMAX+5Gで同じ期間に出来るだけ多くの通信を行ってみた結果です。通信量は855GBと、楽天モバイルに比べて半分程度しか通信を行う事が出来ませんでした。

この理由としては、楽天モバイルとWIMAX+5Gの通信速度にあります。両者の通信速度を計測した結果、楽天モバイルの方が通信速度が速く、WIMAX＋5Gの方が通信速度が遅いという結果になりました。

左が楽天モバイルの通信速度、右がWIMAX＋5Gの通信速度です。楽天モバイルでは、混雑時間帯や大容量の通信を行っても割と一定以上の通信速度が出るのに対し、WIMAX＋5Gでは、混雑時間帯の通信速度が極端に低下する傾向にあり、オマケに大容量の通信を行うと通信制限がかかったかの如く通信速度が低下します。

「それって単にWIMAX＋5Gの通信環境が悪いからじゃじゃないの？」と思われるかも知れませんが、WIMAX＋5Gでは大容量の通信を行う前は楽天モバイルの通信速度を遙かに上回る通信速度が出ていました。

それが、150GBくらいの通信量を超えたあたりから通信速度が一気に下がり、まるで通信速度制限がかかったかと思われるくらいの通信速度しか出なくなります。これは、平日の昼間など混雑していない時間帯でも同じです。

そして、通信を行わずにしばらくするとまた通信速度が速くなる事から、WIMAX＋5Gでは、大容量の通信を行うと通信速度の制限がかけられると考えた方が良さそうです。ハッキリ言って、家の固定回線として使うのは致命的です。

このように、楽天モバイルでは混雑時間帯や大容量の通信を行っても通信速度が低下することはありませんでしたが、WIMAX+5Gでは通信速度の低下がかなり顕著に見られます。この事は、恐らく住んでいる場所やエリアにかかわらず、日本全国でも同じ事が言えるのではないでしょうか。

同じようなホームルータータイプの通信サービスだとしても、ここまで通信速度に差が出てくるとなると、WIMAX＋5Gよりも楽天モバイルのほうが軍配が上がります。

もし、WIMAX＋5GとRakuten Turbo5Gでどちらを契約するか検討していた方は、間違いなくRakuten Turbo5Gを契約するのがオススメです。

Rakuten Turbo5Gをオススメできる人。よほどの理由がない限り、モバイルルーターのセット購入で十分

ここまで、Rakuten Turbo5Gにについてと、メリット、デメリットについて解説してきました。上記の事を踏まえると、Rakuten Turbo5Gをオススメできる人は次のようになります。

Rakuten Turbo5Gをオススメできる人

これらに当てはまる人であれば、Rakuten Turbo5Gを利用するメリットは高いと言えます。逆に当てはまらない方は、既存のスマートフォン向けプランでモバイルルーターをセットで購入し、モバイルルーターを固定回線のようにガンガン使うだけでも十分ですね。

先ほど解説したように、スマートフォン向けプランとRakuten Turbo5Gでは月額の料金に大きな差があります。加えて、Rakuten Turbo5Gでは端末が割引になるキャンペーンは行っていませんが、スマートフォン向けプランではモバイルルーターや5G対応スマホが1円で購入出来るキャンペーンなども行われています。

このようなキャンペーンを利用し、モバイルルーターを固定回線のように使用すれば、一応Rakuten Turbo5Gのように運用することも可能です。

こちらの方法なら、月額2,980円という安さに加えて端末も1円で手に入るので、総額で見てもかなり安く利用することが出来ます。

まずはスマートフォン向けプランとモバイルルーターの組み合わせで様子を見て、タイミングを見てRakuten Turbo5Gに切り替えるのも良いでしょう。どちらがお得になるかは、楽天市場など楽天サービスの利用状況に応じて判断してみて下さい。

ただし、このモバイルルーターが一円で販売されているキャンペーンは、予告なく終了する可能性があります。キャンペーンがまだ行われているかどうかは、必ず楽天モバイルの公式サイトで確認して下さい。

それから、スマートフォン向けプランのSIMでRakuten Turbo5Gのようなホームルータータイプの端末を利用したい場合は、WIMAX＋5Gの中古端末を利用するという手もあります。

WIMAX＋5Gの端末は楽天モバイルの電波にも対応しているため、WIMAX＋5Gの端末に楽天モバイルのSIMを挿してAPN設定を行えば、WIMAX＋5Gの端末で楽天モバイルを利用することが可能です。

例えば、この記事でもご紹介したように、管理人はGalaxy 5G Mobile Wi-FiというWIMAX＋5Gの端末に楽天モバイルのSIMカードを挿して使っています。こちらはモバイルルータータイプですが、ホームルータータイプのSpeed Wi-Fi HOME 5G L12でも同じ事が可能です。

WIMAX＋5Gの端末はメルカリや楽天ラクマなどで安く出回っていますので、スマートフォン向けプランのSIMをホームルーターで運用したい方は、是非試してみて下さい。

楽天モバイルの固定回線専用プラン『Rakuten Turbo5G』とは？ 通常プランとの違いと、契約するメリット、デメリットについて解説！まとめ

以上が、Rakuten Turbo5Gについてと、契約するメリット・デメリットについてでした。

Rakuten Turbo5Gは、自分の住んでいる場所が楽天モバイルの5Gエリアだったら、かなりいい選択肢に入ると思います。しかし、現状では楽天モバイルの5Gエリアがかなり限られているため、殆どの方はRakuten Turbo5G本来の恩恵を受ける事が出来ません。

4Gエリアでのみ利用する事を考えると、5G対応の高額なホームルーターを購入するメリットはほぼ皆無です。オマケに、月額料金もスマートフォン向けプランと比べて割高になっている事から、4Gエリア内でのみ利用する場合はむしろ損しているとも考えられますね。

このような場合は、スマートフォン向けプランにモバイルルーターの組み合わせで利用する方がお得です。

ただ、Rakuten Turbo5Gを契約すると、楽天市場でのお買い物時に貰える楽天ポイントが＋1倍になることから、利用状況によっては実質的な割引額が多くなる事もあり得ます。

楽天モバイルの回線は、場所や時間帯などにもよりますがWIMAX＋5Gよりも安定して通信が行える場合があります。もし、「楽天モバイル＋WIMAX＋5G」の組み合わせで使っている方は、「楽天モバイル＋Rakuten Turbo5G」の組み合わせにすることで更に通信品質の向上と実質的な通信料の負担が大きく下げられるかも知れません。

是非一度、Rakuten Turbo5Gの契約も検討してみて下さい。

この機会に、是非家のネット環境も見直して見て下さい。